水害からの復興 NEW 随時更新!

あいさつ ~水害の被災にあたって~

平成・令和の豪雨災害報告書 ~防災・減災・復旧・復興計画の策定に向けて~をご覧になりたい方はこちら

 当山、庭月山月蔵院(庭月観音)の歴史は古く、平安時代まで遡ります。ご本尊である聖観世音菩薩さまは、慈覚大師円仁さまの一刀三礼の作であり、その優しき微笑みは、1千年の時を超え、今に語り継がれています。
 しかし、その微笑みが今に至るには、様々な苦難を乗り越えねばなりませんでした。戦国時代の戦乱、明治維新の廃仏稀釈、大東亜戦争(太平洋戦争)、戦後の農地改革による土地の没収など、庭月観音は、幾度も受難にさらされました。これら様々な受難の中でも、最も数多く訪れた受難こそ、「水害」なのです。
 元々、庭月観音の観音堂及び本堂は、庭月・西村集落の中間にある低湿地帯に位置しており、度重なる水害に悩まされていました。
その現状に心を痛めたのが、新庄藩第2代藩主の戸沢正誠公であり、藩主自らが発願し、信徒から浄財を募り、寛文11年4月(1671年)に現在の地に移転いただいたのです。落慶法要は延宝4年(1676年)7月3日に、円満寺住職の尊純法印を願主にして、盛大に執行され、これをもって庭月観音は、水害という苦難から一度は逃れることができたのです。
 しかし、諸行無常は世の常であり、近年の地球温暖化に伴う異常気象により、庭月観音本堂は、再び水害の常襲地となってしまいました。
特に昭和50年8月6日、平成30年8月5日及び8月31日、令和6年7月25日の水害による被害は甚大でありました。
 そのような中、ご信徒・地域・仏教関係者・政治家・行政の皆様方からは、お見舞いや義援金・復旧作業・補助など多大なるご支援をいただきました。
現在、庭月観音が無事に存続するのは、ひとえに皆様のおかげ様であり、深く感謝・厚く御礼申し上げます。
 このような災害は、二度と来ないことを願うばかりですが、近年の気象状況を考慮すれば、今後も平成・令和の豪雨災害と同規模またはそれ以上の異常気象が、周期的に発生することは容易に想像できます。
 そこで、庭月観音としては、平成・令和の豪雨災害での防災・減災対策と復旧作業の成果と課題・改善点を検証し、報告書を作成するとともに、今後の水害対策の更なる向上を図るために、防災・減災・復旧・復興計画を作成することといたしました。
そのうえで、庭月観音の水害の根本原因である鮭川・弥吉沢への抜本的な対策を、国・県・市町村に要望させていただきたいと考えております。
 当山の教えと歴史を、未来へ末永く継承していくためにも、皆様からのご理解とご支援・ご協力をよろしくお願いします。
 また、平成・令和の豪雨災害で、鮭川村・最上郡・山形県・秋田県の多くの方々が被災されました。自宅の倒壊や浸水、農地・旅館・出荷場等に多くの被害が発生しました。 本当に悲しい限りです。お見舞い申し上げます。
一日も早い復興と、皆様のご健康を御祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。合掌

令和7年3月吉日  庭月山月蔵院 住職 庭崎 賢恵

 

庭月観音 平成・令和の豪雨災害報告書
 ~防災・減災・復旧・復興計画の策定に向けて~ 随時更新中

 平成・令和の豪雨災害の記録をまとめた報告書になります。ご覧になりたい各章をクリックしてください。

表紙・目次

第1章 報告書作成の趣旨   令和7年3月12日 掲載

~庭月観音の自然環境と歴史~

第2章 鮭川村及び庭月観音の自然的特質と災害履歴  令和7年3月14日 掲載
 第1節 鮭川村の自然的条件
 第2節 鮭川村の災害の危険性
 第3節 鮭川村の災害履歴

第3章 庭月観音の歴史   令和7年3月16日 掲載
 第1節 庭月観音の歴史

第4章 庭月観音と水害の歴史 令和7年3月18日 掲載
 第1節 水害から非難するための移転
 第2節 近年の水害被災状況

第5章 庭月観音と水害防止対策の歴史 令和7年3月20日 掲載
 第1節 鮭川堤防の嵩上げ
 第2節 弥吉沢擁壁の建設
 第3節 庭月観音堤の建設と弥吉沢上流部の改修

~平成・令和の豪雨災害における降水量・鮭川の水位上昇・被害規模~

第6章 危険雨量基準と河川水位上昇予測時間の設定  令和7年3月22日 掲載
 第1節 平成・令和の豪雨災害時の気象状況と被害の概要
 第2節 平成・令和の豪雨災害時の庭月観音上流域の降水量
 第3節 防災・減災活動開始のための危険雨量基準の設定
 第4節 鮭川上流の降水による各水系・各地点の水位上昇開始時間
 第5節 鮭川上流の降水が庭月観音に到達するまでの時間(河川水位上昇予測時間)
 第6節 鮭川上流及び鮭川中流(庭月観音前)おける記録的降雨の同時発生
 第7節 令和6年梅雨前線豪雨災害での降水状況の総括(被害拡大の要因)

~平成・令和の豪雨災害における弥吉沢・境内の水位上昇と低下~

第7章 平成・令和の豪雨災害当日の弥吉沢・境内・床上浸水の水位上昇と低下 3月22日 掲載
 第1節 弥吉沢・境内・床上浸水の水位上昇及び低下の記録
 第2節 弥吉沢の水位上昇の分析と今後の方針
 第3節 境内・床上浸水の水位上昇の分析と今後の方針
 第4節 境内・床上浸水の水位低下の分析と今後の方針

~平成・令和の豪雨災害における防災・減災活動と被害の概要~

第8章 平成・令和の豪雨災害当日の防災・減災対策・避難体制の検証 3月24日 掲載
 第1節 従前の防災・減災対策・避難体制
 第2節 従前の防災・減災対策・避難体制に対する成果・課題・今後の方針

第9章 平成・令和の豪雨災害の不動産・動産の被害の概要  3月25日掲載
 第1節 寺院建築物(不動産)の被害
 第2節 寺院境内の被害
 第3節 物品・備品等(動産)の被害
 第4節 各種保険等の適正化

~平成・令和の豪雨災害における復旧活動の実績と課題・今後の方針~

第10章 復旧活動の実績と課題1 ~被害状況の把握と記録~ 3月25日 掲載
 第1節 被災後の初動 ~被害状況の把握と記録・危険箇所の選定~
 第2節 平成・令和の豪雨災害における活動実績
 第3節 活動実績の検証 ~成果・課題・今後の方針~

第11章 復旧活動の実績と課題2 ~寺宝・文化財等への対応~ 3月26日 掲載
 第1節 寺宝・文化財等、緊急措置が必要な被災物品の把握と対応の決定
 第2節 平成・令和の豪雨災害における活動実績
 第3節 活動実績の検証 ~成果・課題・今後の方針~

第12章 復旧活動の実績と課題3 ~境内清掃~ 3月28日 掲載
 第1節 境内清掃を優先する理由
 第2節 平成・令和の豪雨災害の復旧活動実績
 第3節 活動実績の検証 ~成果・課題・今後の方針~

第13章 復旧活動の実績と課題4 ~被災物品の仕分け・洗浄・仮置き~ 3月30日 掲載
 第1節 被災物品の仕分け、再利用物品の洗浄・仮置きの重要性
 第2節 平成・令和の豪雨災害の復旧活動実績
 第3節 活動実績の検証~成果・課題・今後の方針~

第14章 復旧活動の実績と課題5 ~室内清掃~ 4月2日 掲載
 第1節 室内清掃の重要性
 第2節 平成・令和の豪雨災害の復旧活動実績
 第3節 活動実績の検証 ~成果・課題・今後の方針

第15章 復旧活動の実績と課題6 ~寺院屋体の応急修繕・復旧等~
 第1節 寺院屋体の応急修繕・復旧等の重要性
 第2節 平成・令和の豪雨災害の復旧活動実績
 第3節 活動実績の検証 ~成果・課題・今後の方針


 

庭月観音 防災・減災・復旧・復興計画書
 ~法の灯を未来へ伝承するために~

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