巡礼とは
巡礼・遍路の旅は、そのひとときを大切にします。まず巡礼できる幸せを感謝しなければなりません。道中のいろいろな出来事は、すべて観音さまのはからいであると感じ、ひたすら感謝の合掌で受けとらねばなりません。
そうすることによって、この巡礼・遍路の旅はありがたい、なごやかな、あとあじのよい旅となります。同行の人にはもちろんのこと、道中で行き会う人々にも親切にし、自分よりも先に同行の人、道中の人に喜びを与えるのです。まったくの他人でも、巡り巡って出会ったご縁の深い人ばかりなのです。
霊場ではひたすらご本尊に読経し、心身の不浄を洗い清め、観音さまから、人々に慕われ、喜びを与える人徳を授けていただくのです。そして次のことに留意するのです。
第一 に観世音菩薩の御名を唱える。そして修行の心を忘れない。生物を殺さない。保健薬を持つ。口論しない。不必要な荷物は持たない。飲食物に注意する。難所の参拝には、体の弱い人に丈夫な人が力添えをして、全員が登拝する。安眠が大切で、就寝は早めにする。団体での朱印のなつ印は一括まとめて代表者が受け各人は勤行に専心する。
そして忘れてならないことは、霊場には、いろんな文化財や大切なものがたくさんあるので、文化財の保護や、火の用心のことであり、先達の指示には素直にしたがって行動することです。
当山先代住職 庭崎孝賢記
巡礼の仕方
1.霊場へ入ったら、まず水屋で口をすすぎ、手を洗う。
2.鐘楼て鐘を撞く。(自由に撞けるところのみ)
3.本堂で所定の箱に納札、写経を納める。
4.お灯明、線香、そして賽銭をあげる。
5.ご本尊を念じ合掌し読経。(心経、観音経、十句観音経、本尊名号、回向文など)
6.納経所で所定の納経料を支払い、納経帖、軸、おいずり等に納経朱印をもらう。
7.巡拝中いやなこと、苦しいこと、くやしいこと、悲しいことなどいろいろあるが、これはすべて観世音のはからいと感じ、ひたすら合掌の気持で有難く受けること。また同行はもとより、道中いきあう人にも親切にする。
巡礼に必要なもの
正式な装束
長い道中、お観音さまの導きでお願いごとや供養のために巡拝・修行させていただくのですから、巡礼衣をつけて心身ともに清らかになりたいものです。背広に靴や、カジュアルな格好で巡拝することの是否は問いません。
しかし、せっかく仏さま・観音さまと縁を結ぶ機会です。正式な衣装で参拝されることをお勧めします。
必要なもの
1 笈摺(おいずり)
未記入/2,000円
当山に記入を依頼/3,000円(要予約)
西国の徳道上人や花山法皇が、観世音を背負われ、俗身に笈がふれないようにと清浄な白衣を着けたのがはじまりという。ご宝(朱)印をいただき、死後の旅路に着けるものとされている。
背の正面に「南無大慈大悲観世音菩薩」と書き、右に年月日、同行二人、左に住所氏名を記す。
○両親のある者-中央を赤、左右を白
○片親の者-中央を青、左右を白
○両親のない者-三幅とも白
自分一人でも「同行二人」と書く
2 菅笠(すげがさ)
当山で取り扱い無し
巡拝中に強い日射をさえぎり、雨をしのいでくれる。笠には「同行二人」と住所氏名を書く。
そして、「迷が故に三界は城なり」「悟が故に十方は空なり」「本来東西 無く」「何処南北有り」と書く。
3 金剛杖(こんごうづえ)
当山で取り扱い無し
観世音菩薩の分身として大切に護持し、宿についたら観世音の御足を洗うごとく、杖の先を洗い、床の間にたてる。杖は執金剛神(仁王様)の持つ金剛杵をかたどり、上部は五輪(地水火風空)をあらわし、観世音の加護で無事巡拝できる、護身の杖である。
ほんものの巡礼とは?
単に寺院を訪れただけでは、巡礼とはいえません。訪れた寺院にて、御朱印・納経帳・掛軸等を記帳することで、はじめて巡礼といえます。
項目 | 説明 | 志納金・写真 |
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ご朱印 | 観音様の梵字・寺院名の2種類がある。 | 200円 |
納経帳 | 札所のご本尊・山号・寺院名が記載される。 | 300円 |
掛軸 | 札所のご本尊・山号・寺院名が記載される。 | 500円 |
お姿 | 各札所のご本尊のお姿が記載されている。 | 200円/印無し 300円/印有り |
全て揃える必要はありませんが、最低でもご朱印を頂くようにはすべきでしょう。