おかげ様の心こそ、日本人の原点
当山には、送り盆の行事として灯ろう流しが伝わっています。毎年、八月十八日には護摩壇とかがり火が入れられ、ご詠歌や般若心経が奉納され、供養の灯ろうが次々と流されていきます。
参拝者は川面に浮かぶ数千もの灯りに手を合わせ、先祖の霊を慰めます。
年に一度、ご先祖様に感謝と誓いのひとときを持ち、心の拠りどころとして生き抜いて行きたいものです。
どうぞ灯ろう流し供養へのご随喜をお待ち申し上げます。
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灯ろう流しとは
〜お盆の送り火、ご先祖様を思う〜
灯ろう流しまたは、精霊流しは、死者の魂を弔って灯ろう(灯籠/灯篭)やお盆のお供え物を海や川に流す日本の行事です。一般的には、お盆の行事で送り火の一種です。
お盆の正式名称は、盂蘭盆会といいます。盂蘭盆会は「盂蘭盆経」に由来し、その中には次のような話があります。
お釈迦様の弟子で、神通力第一と称された目連さまというお坊さんがいました。目連が神通力で、他界した母を見ると、母は餓鬼道に堕ちて逆さ吊りにされ、苦しんでいました。母を救いたい目連は、お釈迦さまに救済方法を尋ねます。
お釈迦さまは、僧侶達の夏安居(雨季に室内にこもって行う修行)が終わる日に、僧侶たちに百味飲食を捧げれば、母を救うことができると説きました。
目連さまは僧侶たちに布施し、母を救い出したのでした。
日本では、盂蘭盆会は606年に宮中で始まったという記録があります。その後、鎌倉時代に、夏と冬に先祖が帰ってくるという民間信仰の「魂祭り」と盂蘭盆会が融合し、現在のお盆のような先祖供養の形になりました。
灯ろう流しでは、色鮮やかな絵が描かれた灯ろうを作って、川に流します。その灯ろうの灯りは、「送り火」といって、ご先祖様があちらの世界にお帰りになる際の目印であり、感謝を表すものです。
また、追悼行事としての意味もあり、あの世へ帰る死者の魂を慰めるものでもあります。
川面に揺らめく灯ろうの明かりを見つめながら、ご先祖様・ご親族の魂に思いを巡らせ、安らかな眠りをお祈りいたしましょう。